法務の専門家である司法書士に相談できること
目次
1. 不動産登記に関する業務
司法書士は登記業務の専門家です。そのため、不動産登記に関する手続きで司法書士に対応できない手続きはありません。
司法書士は全員が登記の専門家なので、司法書士であれば誰でもスムーズな登記申請が可能です。したがって、「登記」を依頼するには司法書士に依頼するほうが安心と言えます。
不動産登記とは、簡単に言えば「土地・建物の情報」や「不動産を所有している人の情報」などを国(法務局)に登録する手続きです。
身近な場面では、マイホームを購入した時や売却したときに必要な手続きとなり、不動産を売買するときには何らかの形で司法書士が関与することになります。
所有権保存・移転登記 |
所有権保存登記は不動産を新たに取得したときに行います。 所有者移転登記は、売買したときなどに行います。 |
抵当権設定・抹消登記 |
抵当権の設定は、住宅ローンなど大きなお金を借り入れしたとき、不動産を担保とする場合に行います。 一方、住宅ローンを完済した時などには、設定された抵当権を抹消するときには抹消登記を行います。 |
新中間省略・直接移転売買 |
「AさんからBさんが不動産を購入し、Cさんに売却して転売益を得る」といったように3人以上が不動産の売買に関わるようなときに行います。 投資目的の不動産などによくあります。 |
個人間の不動産売買・贈与 |
不動産業者を通すことなく個人間で不動産を売買したり、親から子(孫)へ生前贈与したりする場合の登記手続きの対応です。 登記手続きとしては、所有権保存・移転登記と変わりありませんが、個人間であることから、様々なリスクを考慮して対応する必要があります。 |
2. 相続に関する業務
相続手続きも司法書士に相談することが可能です。
すべての司法書士が相続に強いというわけではなく、相談する際は相続を専門に対応しているかなど判断した上で、地元の司法書士に相談することがおすすめです。
対応できること | 対応できないこと |
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生前対策
・相続生前対策:生前対策は相続に備えて事前に行っておく準備で、主に以下のようなことです。遺言書の作成 |
法的に問題のないよう遺言書の作成をサポートします。 また、公正証書遺言を作成する際には公証人との打ち合わせも行うことや、証人として立ち会うことも可能です。さらに争いを避けるための内容や、相続が発生した時にスムーズに手続きできるよう内容のアドバイスも行います。 |
生前贈与 | 不動産を生前贈与をする際の贈与契約書の作成や不動産の名義変更についてアドバイス又は手続きできます。 |
後見人 |
後見人とは、認知症など、判断能力が低下した際に、財産管理や身上監護を行いう人です。 司法書士は、本人の判断能力低下後に裁判所が選任する「法定後見人」、意思能力があるうちに自身で選ぶ「任意後見人」どちらも担うことができます。 また、後見人の申立手続きや任意後見契約のサポートも可能です。 |
遺留分放棄 |
遺留分放棄とは、相続発生後にトラブルが生じることを避けるために、あらかじめ遺留分を放棄してもらう手続きです。 遺留分放棄を裁判所に申し立てる際のサポートが可能です。 |
相続手続き
相続手続きとは、相続が発生した後に行うべき手続きです。
相続人調査 (戸籍収集) |
正確な相続関係を把握するために、戸籍謄本などの書類を収集しなければいけません。 自身で収集することも可能ですが、亡くなった方の戸籍謄本は死亡時から遡って出生までのものが必要になるため時間も手間もかかり想像以上に大変です。 |
遺産分割協議書作成 |
遺産分割協議の内容を「遺産分割協議書」としてまとめます。 また、あとから相続人間でトラブルにならないようの対策や、払う必要のない税金を払わずに済むように記載内容についても提案してくれます。 |
相続登記 | 不動産を相続したことによる、不動産の名義変更手続きをサポートします。 |
不動産・預貯金等の名義変更 | 不動産や銀行口座や証券など、相続にあたって必要な名義変更手続きをサポートします。 |
遺言の執行 | 遺言書の内容を実現するため、財産調査から相続手続きまで行います。 |
相続放棄 |
相続放棄とは遺産を相続したくない場合の手続きです。 相続放棄を裁判所に申し立てる際のサポートをします。 |
限定承認 |
限定承認とは、遺産がプラスかマイナスか分からない場合に、遺産がプラスになった場合にのみ、遺産を精算し、プラス部分のみを相続する手続きです。 限定承認を裁判所に申し立てる際のサポートをします。 |
相続財産管理人選任申し立て |
相続財産管理人とは、相続人の誰かが行方不明など所在が分からない場合に、代理で相続財産を精算する人です。 裁判所によって選任されますが、司法書士が選任されることもあります。 相続財産管理人の専任を、裁判所に申し立てる際のサポートをすることも可能です。 |
3. 家族信託に関する業務
家族信託とは、認知症などに備えて「家族間で財産管理を行うための制度」です。
家族信託について詳しくない司法書士も一定数いるため、家族信託を検討するときは「家族信託に精通している司法書士を探す」のがおすすめです。
家族信託プランの提案 | 財産の状況や希望に合わせて、最適な家族信託のプランを提案します。 |
信託契約書の作成 | 設計した信託プランに合わせた信託契約書を作成します。 |
公正証書作成サポート | 信託契約書を公正証書にする場合、そのサポートをします。 |
家族信託による不動産の名義変更 | 家族信託をする際に必要な不動産の名義変更の手続きをします。 |
4. 会社・法人の登記に関する業務
会社・法人の登記(商業登記)も、不動産登記と同様に法務局での手続きになり、登記の専門家である司法書士に依頼したほうが良い手続きです。
役員変更・商号変更 | 役員や商号(会社名)を変更する際の登記手続きです。 |
会社法人設立 | 株式会社や一般社団法人など、法人を設立する際の手続きです。 |
会社分割 | 1つの会社をいくつかに分割する際の手続きです。 |
事業継承 | 事業を他の人へ引き継ぐ際の手続きです。 |
会社の事業目的の変更 | 会社の事業内容(目的)を新しく追加したり、変更したりする場合の手続きです。 |
本店移転 | 会社の本店(本拠地)を移転する際の手続きです。 |
増資 | 会社の資本金を増加する際の手続きです。 |
5. 債務整理に関する業務
司法書士が対応できるものは、債務額が1社あたり140万円を超える任意整理や過払い請求は対応するできません。(自己破産や個人再生は債務額に関わらず司法書士への依頼が可能です。)
また、債務額が1社あたり140万円以下であっても、任意整理のように債権者との交渉が必要な手続きについては認定司法書士以外は対応できないため注意が必要です。
司法書士 | 認定司法書士 | 弁護士 | |
自己破産 | ○ | ○ | ○ |
個人再生 | ○ | ○ | ○ |
過払い金請求 | × | ○ ※ただし、1社あたり140万円以下の債権に限る |
○ |
任意整理 | × | ○ ※ただし、1社あたり140万円以下の債権に限る |
○ |
債務整理で対応できること
任意整理 | 金融会社などの債権者と利息のカットと長期分割返済について交渉します。 |
過払い金請求 | 現在の利息の上限を超える利息を支払っていた場合、金融会社などの債権者に払いすぎた利息を請求します。 |
自己破産 | 自己破産手続きに必要な書類の作成や裁判所との面談のサポートをします。 |
個人再生 | 個人再生手続きに必要な書類の作成や裁判所との面談のサポートをします。 |
債務整理で対応できないこと
債務額・債権額が140万円/1社を越える任意整理・過払い金請求1社につき140万円以上の債務・債権がある場合の任意整理・過払い金請求には対応できません。
なお、債務額が総額140万円以上あっても、各社ごとの債務額が140万円を超えていない場合には対応が可能です。
また、自己破産や個人再生は交渉・訴訟ではないため、債務額に関わらず対応が可能です。
6. 簡易裁判所での訴訟行為
「訴訟」というと弁護士にしか対応できないと思われがちですが、140万円以下の簡易裁判所での訴訟であれば司法書士(認定司法書士に限る)でも対応が可能です。
訴訟行為で対応できること
債権回収 | 家賃や賃金、売掛金などの債権を回収するための訴訟手続きの対応、代理人として活動が可能です。 ※債権額140万円以下の場合に限る |
建物明け渡し請求 | 家賃等を支払わない相手への明け渡しを請求するための訴訟手続きの対応、代理人としての活動が可能です。 ※貸している部分の建物価格が280万円以下の場合に限る |
訴訟行為で対応できないこと
請求訴訟額140万円超の事件の代理人
訴訟額が140万円を超える場合の事件の場合、司法書士は代理人になることはできません。
なお、140万円を超える場合、代理人になることはできませんが、訴状や申立書の作成などは司法書士で対応することができます。(裁判所へ提出する書類の作成業務は司法書士業務の一つです。)
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